ハードディスクとは、磁気を記録円盤に塗りそこに磁石の力(磁気ヘッドが操作する)を用いて情報を記録するものである。よって、円盤は外周部に行けば行くほど早い回転で廻っており、内周部が遅くなる。通常データの転送速度も、外周部のほうが高い。これはデータ記録の基準が、読み書きの速度ではなく磁気の粒子の粒度によって決まってしまうことを意味する。
磁気ヘッドが情報を記録し、再度読み出すために、正確なデータとして再読み出しが必要なことを考えれば、情報が正確に記録される、磁気粒子の密度が能力を決定するわけであるから、理論的には電気の速度まで高速化できる読み書きについては現在、未だ速度余力があるとも見れる。
また高速な回転は発熱がすごく、装置の寿命を著しく短くする。現在のハードディスクは回転を少なくしながら、データ保存量、データ転送速度を上げるために、やはり磁気の記録密度を高める技術競争といっても過言ではないだろう。
コストを削減しつつ、パフォーマンスを向上させることを意識した機材選択において、やはり多くのプロダクトが存在する、コストパフォーマンス領域に位置する商品をいかに組み合わせるかが、重要である。
2009年において最もコストパフォーマンスが優れていると思われるのは、7200回転の商品群である。より低速の5400よりも圧倒的に速度があり、10000回転以上では発熱対策が非常に難しくなってくる。水冷式のシステムがコストと手間による、原価増を考えると暫くは回転速度は劇的には上がらないだろう。
よって、ハーディスクの平均的な転送速度は、内周部において50Mバイト/s、外周部で100Mバイト/sというデータ転送量(メーカーの理論値は各社違うので、ここでは実質的な平均値)になる。ちなみにSATAバスの転送速度は最大150Mバイト/sのため、1台のハードディスクを1つのSATAポートに接続することがベストパフォーマンスを発揮する。但し、PCIバスの最大速度が、132Mバイト/s(32bit-33MHz)しかないため、PCIパスに接続している場合は、理論値以下の能力しか発揮しない。
SATA2においては、300Mバイト/sまで拡張されているが、先に述べたようにPCIバスでは全く能力を発揮できない。よって、SATA2の能力を理論値まで引き出す為に、多くの製品では、PCI Express規格のバス(312Mバイト/s, 2.5Gbps、1レーン分)を利用している。
総論としてハードディスクをパソコンに接続する、現在最もコストパフォーマンスに優れているのは、
になると思われる。内臓であれば1枚のPCIバスに刺さった1枚のSATA2ボードにハードディスク1台。外部接続であれば、PCI Expressバスに刺さったeSATA(300)のポートマルチプライヤを経て、ハードディスクを3台~6台接続するのがもっとも優れている。